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西安ナイトルート:ナイトマーケットと城壁の灯り

初めて西安の夜景を見たのは、時差ぼけで感覚が麻痺していた夜のこと。鐘楼の地下鉄駅からふらふらと地上に上がり、どこへ行く当てのないまま歩き出した。街は十分とかからずに私を正気に戻してくれた。ちょうど鐘楼のライトが点いた瞬間で、傷んだ紫色の空に金色の塔が浮かんでいた。広場全体が、これから本番を迎える場所のざわめきに包まれている。屋台の酸梅湯を片手に階段へ腰を下ろし、私は確信した。夜こそ西安の本当の姿だと。以来、何年もこの説を検証してきたが、足が向くルートは決まっている。

塔に灯りがともる時間

夕暮れどき、この街の真ん中、地下鉄2号線と6号線が交わる鐘楼から始める。登楼料は約¥30(すぐそばの鼓楼とのセットなら約¥50)。ライトアップの時間に四条の大通りの夜景を見下ろせば、階段を上る価値はある。塔の点灯は日没ごろ——夏はおよそ20:00、冬は19:00——で、深夜まで灯り続く。二つの塔の間の広場は、家族連れやスケーター、行商人が夜の散歩を楽しむ場所。入場料は不要で、人間観察はただだ。

西へ数百メートルの鼓楼では、夜じゅう一時間ごとに太鼓の演奏がある。タイミングを合わせて上れば本物の太鼓が聞ける。二つの塔の間の路地では、回民街へと続く小道に屋台が並び始める。焼き立ての平たいパンの匂いをたどっていけばいい。

夜の回民街

回民街がいちばん輝くのは、日帰り客が引いた21:00ごろからだ。煙は濃くなり、串焼きは炭火から外されるスピードを増し、メインストリートから分かれる路地——大皮院、洒金橋——は地元民が実際に使う姿になる。ラム串は一本約¥3–5、柿子餅はひとつ¥4。賈三灌湯包の灌湯包は、22:00でも昼と変わらずうまい。この時間に食事をすれば、この街の人々が朝寝坊な理由がわかる。

観光客の背骨にあたる北院門のメインストリートも、22:00にもなれば落ち着いてくる。柿子餅の屋台は揚げ続け、甑糕のワゴンは残りわずかになった一皿を売り、酸梅湯の店はプラスチックのカップから本物のグラスに切り替わる。

西安の夜の屋台で炭火で焼かれるラム串

大唐不夜城——王朝の衣を着た通り

大雁塔の南に、唐代風の建物、ランタン、ネオンが約二キロにわたって続いている。無料、23:00ごろまで活気があり、西安でいちばん写真に撮られる理由は明らかだ。建物は舞台装置のようにライトアップされ、人混みもそのつもりで接している。大道芸人が通りじゅうで技を披露するが、隠し車輪の上で決して倒れない「不倒翁のお姉さん」が、スマホの輪をいちばん大きく作る。地下鉄3号線(大雁塔駅)か4号線で行き、大雁塔の噴水広場の北端から歩き始めるのがおすすめ。噴水ショーは19:00からおよそ二時間おきで、21:00の回がいちばん混む——事前にその日のスケジュールを確認しておこう。

夜の大唐不夜城、ランタンの灯りに照らされた唐代風の建物

夜の城壁

昼間、城壁は観光のコースだ。だが夜になると、もっと静かで、もっと不思議な場所に変わる。永寧門(南門)から入り、約¥54を払って自転車を借りる(三時間約¥45)。近代的な高層ビル群を望む南側と西側が、日没後がいちばん美しい。角楼が光を放ち、眼下の車の流れは光のリボンになる。夏は22:00まで開いており、返却を考えて21:30までには走り始めること。のろし台の灯りはその後も長く点き続け、南側の城壁から鐘楼方面を振り返る眺めは、この街の夜景写真でも屈指の一枚になる。

日没後にランタンの灯りで照らされる西安の城壁

回民街以外のナイトマーケット

回民街が「舞台」すぎる気分なら、西安にはもう一つの顔がある。新城広場の北、東新街は古くからの夜食通りだ。22:00を過ぎてから本気になる屋台と低いテーブルが並び、烤肉(バーベキュー)の串や炒麺(約¥25)を明け方まで振る舞う。中山門のそばの永興坊——城壁に囲まれたスナックパーク——も、摔碗酒と子長煎餅の灯りをともしたまま夜を迎える。そして、天気が崩れたら、小寨や大雁塔の周辺の火鍋チェーンが深夜0時まで飛び込み客を受け入れてくれる。鴛鴦鍋(半分辛、半分白湯)を頼んで、夜の流れに身を任せるのがいい。

ショーを見たくなったら

本命は長恨歌。市の東約40分、華清宮の湖で上演される、炎と全面湖面の舞台と千人の踊り手による七十分の野外ショーだ。チケットは約¥250から、席によってぐんと上がる。夏の夜は売り切れるので、必ず事前に予約を。街に近いところでは、大唐芙蓉園が夜のショーを約¥120で開催し、鼓楼のそばの青曲社の相聲(中国の伝統的なしゃべくり芸)クラブは、にぎやかな夜を約¥100–200で提供している。ほとんどが中国語だが、その熱量は言葉がわからなくても伝わってくる。

華清宮の湖上舞台で上演される長恨歌の野外ショー

実用メモ

ヒント

終電を待つ鐘楼駅で、警備員のおじさんが私のスマホの写真を見てうなずいた。「夜西安好看吧」——西安の夜はいいだろう、という意味だ。その通りだと思う。いちばんいいのは、このルートに計画が要らないことだ。街のほうが勝手に灯りを点けてくれる。こちらは歩いて入っていくだけでいい。

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