初めて西安を訪れたとき、滞在は2日間。その間、私は走り続けた。朝食前に兵馬俑へ向かい、3つの坑と博物館を駆け足で巡り、回民街で立ち食いを済ませた。飛行機が動き出す頃には「もう見た」と確信していたが、何も見えていなかった。2回目は5泊を取って正反対をやった。大きな見どころは1日1つ、食事は急がず、午後は城壁の上で光が動くのを眺めるだけ。西安は分厚い小説のようにゆっくり読む街で、斜め読みする街ではない。
ここで紹介するのは、私が実際にたどったルート。兵馬俑も城壁も塔も全部見たい。でもチェックリストに縛られた日程はごめんだ、という人のための行程で、骨組みとして使ってほしい。細部は街がよしなに埋めてくれる。
なぜ5日なのか
2日では、すべての見どころが「立ち寄り」になる。3日では、城壁の夕日と噴水ショーのどちらかを選ばされる。5日あれば、午前中に大物を1つ、午後はゆったり、夜はひたすら食べる。そんな1日をうまく積み重ねられる。西安の見せ場は日が暮れてから始まる。大唐不夜城は輝き、回民街の路地からは湯気が立つ。5時に終わる行程では、この街の売りの半分を逃す。
1日目:街に馴染み、城壁をゆっくり歩く
荷物を置いたら、まず永寧門(南門)へ。城壁は約54元。ここがいちばん混む入口なので、午後半ばに行こう。脚に余裕があれば自転車を借りよう。2時間約45元(保証金別)。13.7キロを走れば、片側に旧市街、もう片側に新市街のタワーが伸びる。無理なら南門と西門の間を歩き、日没時に戻ろう。夕日が胸壁を琥珀色に染め、物見櫓が屋根に長い影を落とす。

夕食は、永寧門から歩いて5分ほどの鐘楼のそばで。ライトアップされた鐘楼を眺めてから、真下を走る地下鉄2号線に乗ろう。この1日目は、あえて緩くしてある。二度と走らなくていいようにするのが、目的だから。
2日目:兵馬俑を、ちゃんと見る
兵馬俑には午前いっぱいを費やそう。入場料は約120元、開門は8時30分ごろ。開門と同時に入り、まっすぐ第1号坑へ。10時を過ぎると柵の前は3列になる。最前列に立って、規模を実感してほしい。幾千もの俑が戦闘隊形で並び、顔がすべて違い、それぞれが同じ2000年を待ち続けている。続いて第2号坑、第3号坑で細部を。跪射俑、両手を組んだ将軍俑、敷地内の博物館には青銅の馬車もある。3時間は見ておきたい。立ち尽くす時間があっても罪悪感は不要だ。

帰り道、天気が良ければ華清宮(約120元)へ。温泉と緑の驪山の斜面は、のんびり1〜2時間がちょうどいい。兵馬俑のバスが列をなすころ、こちらは人が引き始める。西安駅発のY5観光バスは、この一帯を片道約10元で回ってくれる。
3日目:博物館、塔、そして夜に光る通り
午前は陝西歴史博物館。無料だが、公式WeChatで数日前の予約が必要。航空券と同じように扱え。9時開館、月曜休館。漢と唐の展示だけで来た甲斐がある。金の細工、三彩の釉薬をかけた馬、唐墓の壁画の数々。午後は街の反対側、大雁塔へ。塔に登るのは約25元、頂上から見下ろす旧市街の眺めは西安でいちばんだ。夜は、北広場の噴水ショー(夏は20時30分ごろ開始)まで居よう。大雁塔から南に延びる唐風の歩行者天国、大唐不夜城は入場無料。ライトが点いてこそ、あの街路は活きる。

4日目:遠出の日を選ぶ
5日あれば、日帰り遠出が1回できる。定番は華山。西安北駅から高速鉄道で約1時間(約55元)。長い1日になるので、西峰のロープウェイで上がり、北峰で下り、垂直移動は山に任せるのが正解。静かに過ごしたい人には、南西へ車で約2時間の法門寺。塔には仏の指骨の舎利が納められ、宝物館はそれだけで博物館級だ。街を離れたくないなら、地下鉄3号線で東の曲江へ。午後は大唐芙蓉園で過ごし、ライトアップされ始める水辺を歩いて戻る。どれも1日を満たしつつ体力は残せる。
5日目:満腹で回民街へ
食事の路地は最後の朝にとっておこう。回民街の入口付近は、似たような串焼き屋が並ぶ観光客用のベルトコンベアだ。そこは飛ばして、二つ隣の洒金橋と大皮院へ。地元の人が列を作り、メニューが壁に一枚だけ貼ってある店が並ぶ。biangbiang麺は約20元、腊汁肉夾馍は約12元、柿子餅は数元。立ち食いで何度も食べよう。お土産も空港ではなくここで買おう。最後に鼓楼の広場を一周して見送りを受けよう。この街は迎えてくれたときと同じように、賑やかに、台所の匂いとともに送り出してくれる。

料金・営業時間の基本情報
- 城壁:約54元。夏はおおむね8時〜22時。自転車は2時間約45元。
- 兵馬俑:約120元、8時30分〜18時(冬は早く閉まる)。
- 華清宮:約120元、おおむね8時〜18時。
- 陝西歴史博物館:無料、要予約、月曜休館、9時〜17時30分。
- 大雁塔:境内は無料、塔に登るのは約25元。
- 地下鉄:1回約2〜7元。改札はAlipayかWeChatのQRコードで通れる。
ヒント
- 日程が決まったらすぐに陝西歴史博物館の予約を。週末の枠は数日前に埋まる。
- 順番も大事。兵馬俑は最初、城壁は夕方、大唐不夜城は夜。順序が体験を左右する。
- 屋台はほとんどがWeChat PayかAlipay対応で、現金が使えない店も増えている。空港を出る前にモバイル決済の設定を。
- 華山と兵馬俑を同じ1日に組み合わせないこと。膝もメモリーカードも悲鳴を上げる。
- 宿は永寧門の近くが便利。城壁、回民街、地下鉄2号線が徒歩圏で、1日2時間ほど節約できる。
最後に
慌ただしかった最初の2日間とゆっくりした5日間。その差はスポットの数ではなかった。ひとつひとつに捧げた時間だ。一人の兵馬俑の顔を眺める時間、城壁の上で柿子餅を食べながら座る時間、噴水ショーを時計を気にせず最後まで見届ける時間。西安は3000年の間、ここに立ち続けてきた。5日間は、この街にふさわしい最低限の時間だ。